轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

しかし、落ち目になっている、このころの江崎一家というのは、まったくの烏合の衆といってよく、屁っぴり腰の者が多かった。酔っている者もある。腹心の部下というのは数人で、あとは傭兵である。日当を貰い、御馳走酒にありつく目的で、ひやかし半分に入りこんでいる者もあった。

それでも、衆を恃んで、外見ばかりは勇ましく、人気のない病院と寺との横道を、新仲町に出た。陣形をととのえ、玉井家を、包囲した。

斥候が、偵察に出た。玉井組の表まで、そっと忍んで行き、帰って来ると、隊長の江崎満吉に、

「どうも、変ですよ」

と、報告する。

腹心の者をやっても、同様なので、江崎が自身で行ってみた。彼も、(どうも変だ)と思わずには居られなかった。変を通り越して、不気味になって来た。

これまで、幾度も果し合い、決闘、なぐりこみ、遭遇戦などをやって来たが、こんなのは初めてだった。相手が、こちらのなぐりこみを待ちかまえ、武装を整えて勢揃いして居れば、同じ気合の弾みで、どっと、飛びこむことが出来る。しかし、玉井一家は、そんな註文どおりの隊形を整えていない。

五十張りを越える提灯を、玄関一杯に点し、その中に、ぽつんと、金五郎が、たった一人、いるきりだ。