轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

と、誘いをかけてみたが、

「死んでも、行かん」

金五郎の答は、その一点張りであった。

村長や、有力者、商売筋、役人、警察、友人――あらゆる方面から、執拗に口説いたけれども、金五郎の決心は変らなかった。

日ごろ、金五郎を邪魔者あつかいにしている嫂のスギなどは、

「お前は、馬鹿ぞな。こがいな棚ボタばなしが、世界のどこにあるもんか。わたしがお前なら、慰斗をくわえて、飛んで行くが」と、義弟の無慾を罵倒した。

黒石の一人娘ヤスも、「金さんでなければ、いや」といって、駄々をこねているとのことである。

金五郎は、窮した。

「なあ、金さん」※は、もうひと押しというように、

「あんた、さっき、男らしゅう定めよう、と、いうたなあ? それは、ここのことぞな。さあ、思いきって、手を打とうじゃないけ?」

「わかりました。わたしが、黒石の養子に行けば、蜜柑を全部、四で、引きとってくれるというんですね?」

「そのとおり」

「四で、値引きを一つもせず、即金で払ってくれるというんですね?」

「そのとおり」

「よろしい。手を打ちます」

「そうけ」と、※は飛びあがって、「くどいようじゃが、黒石の養子のこと、承知じゃな?」