轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

そんな文句があって、金五郎は、顔が赤らんだ。(勇ましい社長さんじゃ)と思い、自分のことよりも、品川信健の身の上が案じられた。

快晴の日を選んで、中ノ島に伝馬船の洗濯に出かけた。

朝食のとき、

「今日は、伝馬タデに行くぞ」

金五郎がそういうと、子分連中は、ワアッと子供のように、歓声をあげてよろこんだ。

伝馬船は長くそのままにして置くと、船底の外部に、貝殻や、青苔がくっついて、船足が重くなる。おまけに、船板が痛んで、腐りが早い。それで、ときどき、陸に引きあげて、船の裏をきれいにこそぎ落し、火をたいて焙る。これを方言で、「たでる」というが、仕事休みの日を利用して行われる。この「伝馬タデ」は、仲仕たちにとって、遠足のように、楽しいものであった。弁当がけ、酒肴持ちで、景色のよい浜辺に出かけるからである。

金五郎を隊長に、女仲仕もまじえて、十四五人、「玉井組」と彫りこんである大伝馬船二隻、小伝馬二隻に、それぞれ分乗して、聯合組岸壁の桟橋から、中ノ島に向かって漕ぎだした。洞海湾の入口、若松と戸畑に挟まっている中ノ島に着くと、早速、乗って来た伝馬船を、渚から白砂の浜に、引きあげた。