轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

誰か、ガラス戸を開けて、浴室に入って来た。

金五郎は、あわててタオルを繃帯のように左腕に巻きつけて、彫青を隠した。

顔を出したのは、友田喜造である。真ッ裸だ。全身が濡れ、雫のたれるタオルで、腰のまわりを巻いている。これまで共同浴場の方に入っていたらしい。

「やあ、いた、いた。君が家族風呂の方というもんじゃけ、移動して来たんじゃ」

そして、「おう、寒ぶ」といって、いきなり、湯槽に飛びこんだ。金五郎一人でも、溢れそうになっていたのに、二人になると、縁を越して、瀑布のように、湯が流れ出た。狭くて、湯の底で、足が触れあうほどである。

「ここの風呂は、新婚の夫婦者かなんかが入るとじゃな? 彫青の親分同士の相風呂とは、野暮の天助たい」

友田はそんなことをいって、けたたましく笑ったが、無理な作り笑いであることは、金五郎にはわかった。

友田なら隠す要もないので、彫青を巻いたタオルを外した。

白く肌理の細い金五郎の皮膚にくらべて、友田の身体は、鮫肌で、どす黒い。そこへ、両腕から背中一面にかけて、自来也の彫青をしているので、よごれたシャツでも着ているようである。でっぷりと小肥りの身体と、骨ばった痩躯も、対蹠的だ。