轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
事件も多いのであろう。しかし、また、金五郎の眼には、それらのすべてが、けっして能率的に片づけられていないことも、よくわかった。こちらの都合などは、全然、考慮に入れていない。おまけに、あまりせつくと、かえって故意に遅らせるような傾向さえ見て取れるのである。昔から、役人や警察官の好きでなかった金五郎は、いらいらして、
(こんなことなら、吉田親分と逢うて来ればよかった。逢うてからでも、ゆっくり、間に合うんじゃった。馬鹿にしとる)
と、もうすこしで、癇癪玉が破裂しそうになった。
運命の意地の悪さ――それは、これまでにも、いやというほど経験して来たところであるが、今日も、また、それのために、してやられた。吉田磯吉が、「男同士で語りあいたい」といった時間を、すっぽかしてしまったのだ。きっと、吉田親分はかんかんに怒っているにちがいない。
こちらでは、こういう一大事が起っているのに、警察は相かわらず、誰か、他の被害者からの抗議が出ているので、と、漠然としたことをいうばかり、さらに、数時間が過ぎてしまった。催促をすると、
「本署は好意的に、破格といってもいい寛大な措置を取ることを考慮しているんですよ。