轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

そういうお葉の眼に、一瞬、また、新しく、なにかの怪しい光が、狡猾に、ひらめいて、すぐ消えた。会心に似たほくそ笑みも、ちらと浮かんだ。

マンは錯乱し、心中の動揺とはげしくたたかいながら、ただ、お葉の顔を見つめていた。

(二十五年もの嘘……)

凝結する思いである。

お京の手紙が思いだされた。その一節にあった言葉――「あたしはおマンさんには負けたと思っていましたけれども、ひょっとしたら、勝っているところがあるのかも知れないと考えるようになりました」

(この彫青の秘密のことか知らん?)

マンは、口がきけなくなった。

「玉井のごりょんさん」呼びかけても、返事のないのはかまわずに、「でも、母はあなたに負けました。玉井さんの美しい白い左腕に、昇り龍を彫りはしましたけれども、肱鉄を食わされて逃げられました。母が精魂こめたその彫青さえ、龍の肢には、菊の花をつかませる始末です。その菊は、あなたを思いだしてのことと、母は後になって悟ったそうです。ごりょんさん、御安心下さい。玉井さんと母とは、なんの疚しい関係もありませんわ。その後も、若松まで、芸者になって追っかけて行きましたけれども、徹底的に振られました。