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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
「金五郎は、親をほったらかして、四国の田舎を飛びだした男、おマンも、同じように、広島を飛びだした女、そうして、二人の生んだ倅が、親につらい目をさせるんじゃけ、お家の芸たい」
そんなこともいった。
金五郎は、井上安五郎に、仲介を依頼した。安五郎も、勝則から頼まれたときには、反対したけれども、事態がここまで来れば、ひと骨折ろう、と、快諾した。
安五郎は、頑強な辻木夫妻を説得するためにほとんど「竹の家」に日参した。はじめはにべもなく弾ねつけていた夫妻も、遂に、観念した。光丸をやることを承諾した。これには、背後から働いた藤本喜八郎の力が、きっかけとなったらしい。藤本が、要之助に、別に、よい嫁を世話するということが、条件になった模様だ。
この話の進行中、友田喜造のいなかったことが、どれだけ、幸したか知れない。友田は持病の胃潰瘍手術のため、大阪の或る病院に入院中であった。
七月が終って、間もなく、勝則と光丸とは、潜伏していた博多の「隻流館」道場から、それぞれ、自宅へ帰って来た。
八月十三日、仮祝言が行われた。雨のそぼ降る日の昼であった。
老松町の露地の奥に、長屋がある。