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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁
それに、お説教が毎日きかれる。どうだ、龍睡丸から下船してしまえ。こっちへ来れば、毎月、国もとへ送金ができる。親孝行になる」
こんなことをいっては、龍睡丸乗組員の心を、動かそうとした。しかし、われら十六人の心は、びくともしなかった。
これがまた、ひじょうに外国人を感動させ、「龍睡丸乗組員は、世界の海員のお手本だ」といって、日本領事館に、龍睡丸の義捐金を申しこんだり、品物の寄贈を申しこんできた。
領事は、
「御好意はありがたいが、船の修繕は、日本人だけですることになっているから、金銭はお受けしません。品物だけは、龍睡丸へ送りましょう」
と、外国人の義捐金は、きっぱりとことわった。
こうして、船の修繕は、順調にすすんで、いよいよ四月四日、出帆ときまった。
二週間まえの龍睡丸は、折れた帆柱、はさみをなくしたカニのように、錨をうしない、水タンクはこわれて、傷だらけな、みじめな船として、入港したのであったが、今は、新しい帆柱が高くたち、錨もそろった。何から何まで、丈夫に修繕ができあがり、生まれかわった元気なすがたになったのだ。
四月四日の朝となった。龍睡丸には、水先案内人が乗り組み、港の曳船にひかれて、いよいよ港外に向かった。