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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁

青空文庫

われらの友アザラシ

それからまた、ほしブドウのように、実をかわかして、冬の食糧にたくわえる工夫もして、いつまでも無人島に住める用意をした。

われらの友アザラシ

アザラシと、いちばんはじめに友だちになったのは、国後と範多であった。そして、やがてどのアザラシも、人間となかよしになった。いっしょにおよいだり、投げてやる木ぎれを口で受けとめたり、頭をなでてやると、ひれのようになった前足で、かるく人をたたいたり、また、われわれがアザラシ半島に近づくと、ほえてむかえにきたりした。

二十五頭のアザラシは、いつでも、アザラシ半島に、ごろごろしてはいないのだ。われらがアザラシをたずねても、一頭もいないことがある。そのときかれらは、自然の大食堂、海へ、魚をたべに行っているのだ。およぎの達者なこの海獣は、五、六頭ずついっしょに、島近くの海をおよいだり、もぐったりして、魚をたくみに口でとらえて、腹いっぱいたべると、島へあがって、ごろごろして眠っているのだ。

そして、眠るときは、きっと一頭だけが、見はり番に起きていて、われらが近づくと、すぐになかまを起してしまう。また、五月のはじめに生まれたらしい、かわいらしい子どもアザラシが、五頭もいた。