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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁
世界の海員のお手本
本船は、帆柱に万国信号旗をあげて、汽船に信号した。
「汝の経緯を示せ」
汽船は、わが信号に応えて、多くの信号旗をあげた。その信号旗の意味をつづると、
「西経百六十五度、北緯二十五度」
これで、本船のたしかな位置がわかった。
「汝に謝す」
お礼の信号をすると、
「愉快なる航海を祈る」
汽船はこの信号をあげつつ、ゆうゆう帆走する本船をおきざりにして、どんどん遠ざかり、やがて、水平線のあなたに、すがたをかくしてしまった。
こうなると、汽船と帆船とは、うさぎとかめの競走である。かめの本船は、ここで、針路をまっすぐにホノルルに向けた。
二十二日の朝、ホノルル沖についた。信号旗をあげて、港の水先案内人をよび、曳船にひかれて、龍睡丸は港内にはいって、碇泊した。
私は上陸して、ホノルル日本領事館にいって、領事に、海難報告書を出して、避難のため、この港へ入港したわけを説明して、べつに英文の海難報告書を、領事の手をへて、ホノルルの役所へとどけてもらった。
世界の海員のお手本
こうして龍睡丸は、ぶじに避難ができた。しかし、こまったことになった。船の大修繕をしなければならない。錨を買い、糧食をつみこまなくてはならない。