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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁
無人島教室
ようにした。
無人島教室
きょうの作業は、きのう宝島から持ってきた、流木のなかの、船底板にはってある、銅板をはがす仕事であった。
うすい銅板を、ていねいに釘をぬいてはぎとり、はがき二枚ぐらいの大きさの銅板を、六枚こしらえた。流木の中の、あつい板きれをより出して、これに銅板を釘でうちつけ、鉄釘の先をとがらせたものを、ペンのかわりにして、この銅板に、「パール・エンド・ハーミーズ礁、龍睡丸難破、全員十六名生存、救助を乞う。明治三十二年六月二十一日」
と、私が日本文で書き、また、おなじ意味を、帰化人の小笠原に、英文で書かせた。この銅板の手紙(流し文)を、海に流そうというのだ。
みんなで、伝馬船を沖に漕ぎ出して、それを流した。
「銅の手紙よ、はやく、どこかへついてくれ。だれかにひろわれてくれ。たのむぞ――おまえには、十六人の、心をこめた願いがかけられているのだ……」
一枚、一枚、海に流すたびに、伝馬船の上から見送りながら、みんな祈った。
しかし、この流し文を配達してくれるのは、海流の郵便屋さんだ。いつ、どこへ配達してくれることか。流したところは、太平洋のまんなかで、横浜へも、アメリカのサンフランシスコへも、おおよそ五千キロメートルはある。