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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁

青空文庫

波を、頭からかぶりながら、甲板にがんばって、これだけのことをいった。そして、大声で号令した。

「漁夫四人は、漁船をまもれ。しっかりしばれ。波に取られてはだめだぞ」

「水夫四人は、伝馬船をまもれ。命とたのむは、伝馬船だ。水夫長は、伝馬船をまもってくれ」

「漁業長。安全に上陸ができても、この波のぐあいでは、とても、食糧品をじゅうぶんには運べまい。漁具がたいせつだ。できるだけ多く集めて、持ってあがる用意をしろ」

「榊原運転士。君は、井戸をほる道具を、第一にそろえてくれ、シャベル、つるはし、この二つは、ぜひとも必要だ。マッチ、双眼鏡、のこぎり、斧も、ぬからずに」

「練習生と会員は、島にあがって、何年か無人島生活をして、ただぶじに帰っただけでは、日本国に対して、めんもくがあるまい。かねておまえたちが望んでいた勉強を、みっちりしなくてはならない。できるだけの書籍を集めて、はこびだすようにしろ。船長室にあるのは、みんな持って行け。六分儀も、経線儀も。いいか、すぐにかかれ」

船が、どしいん、と岩に乗りあげると同時に、船内の灯火は、全部消えた、岩にぶつかり方がはげしかったので、室内の本棚や棚から、書籍がとび出し、いろいろの器物もころがり落ちて、船室のゆかや甲板に、ごちゃごちゃになっていた。