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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁

青空文庫

私がいうと、運転士は、しばらく考えていたが、

「井戸が深いと、よい水の出ないことは、三つの井戸で、わかりました。つまり、海面とすれすれになるから、塩水が出るのでしょう。浅い方が、いいのではありませんか」

すると、漁業長が思いだしたように、

「私は、ずっと前に、水にこまって島にあがったとき、木の根のちかくをほったら、水が出たことがありました。草の根にちかいところに、わりあいいい水があるのではないでしょうか。井戸ほり組の水夫長、君はどう思う」

水夫長も、なるほどという顔で、

「今日の三つの井戸は、だめで、めんぼくありません。あしたは、浅い井戸をいくつかほってみたら、いい水が出ると思います。水は、はじめ白いが、ほっておくと、きれいにすみます」

そこで、私はいった。

「そうだ。井戸の深さと草のしげりかたは、たしかに、水と関係がある。草の根は、真水をすいあげているのだから、草の根にちかい、浅い井戸がいいのだろう。また、雨が降って、雨水が流れてあつまるようなところも、いいにちがいない。それから、ここは珊瑚礁だから、石灰分が多くて、はじめは白い水だが、しまいにはすむのだ。