輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁
そこで、流木で、長さ三十センチほどの、へらのようなものをつくり、その一方をとがらせた。そのとがったへらで、一メートルぐらいの長さの太い松材の中央に、十五、六センチぐらいの、くぼんだところをつくって、そこをへらで、力をいれていきおいよく、気ながに、ごしごしこすると、こまかい木の粉がでて、松材はへこんで、こげくさくなる。もっとこすると、すこし煙が出る。そのとき、いっそう強くこすってから、へらの先を、こすれて出た木の粉につきつけると、火がつく。その火を、用意しておいたかれ草の葉、または、索を毛のようにほぐしたものなどにうつして、いっそう大きな火種をつくった。
「この火種が、いつでも手ぢかにあれば、どんなに、べんりだろう」
こう考えた漁業長と小笠原老人は、いいものをこしらえた。それは灯明だ。
缶づめの空缶の上の方を、きれいに取って、砂を半分ほど入れ、正覚坊の油をつぎこむと、油は砂にしみこみ、よぶんの油は、砂の上に三センチほどたまる。その砂に、帆布をほぐした糸で作った、灯心をさしこみ、火をつけると、りっぱな灯明になった。灯明の火が、風に消されないように缶づめの入れてあった木箱で、わくをつくって、帆布の幕をさげると、行灯ができた。