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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁

青空文庫

砂山つくり

重湯は、一日おきにし、また二日おきにした。しまいには、魚ばかりたべてくらした。

米を節約したのは、わけがある。それは、故国日本の人たちが、

――龍睡丸は、いつまでたっても帰ってこない。どうしたのだろう。漂流しているのか、沈没してしまったのか、行方不明になってしまった――

こういううわさをして――それが東京の新聞にでるのは、秋の末か、冬になってからであろう。

それから、捜索船を出してくれると考えると、来年の五、六月頃でないと、捜索船は、この島の付近にはやってこない。しかもこれは、私たちじぶんかっての考えで、故国の人たちは、われわれが無人島でくらしているとは、思わないかも知れない。

龍睡丸は沈没して、乗っていた者は、みんな死んでしまったのだと思って、助け船など、出してはくれないかも知れないのだ。

だから、米は、最後の食糧として、だいじにとっておかなければならない。それに、病人がでたとき、病人にたべさせるためにも、米は、できるだけ残しておきたかったからだ。

砂山つくり

島の生活にも、やっとすこしなれた、四日め。五月二十四日の朝から、一同は、大仕事をはじめた。