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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

と、子を叱る。

小さい頭に沁みついたその怖さを――伊織も忘れていない。

ずっと昔は、その山神様の白木の輿が、ここから八里も十里も先の山の社に、何年目かの順番が廻って来ると、据えられたもので、土民は、報らせをうけると、稼ぎ蓄めた五穀やら、大事な娘までも、因果をふくめて化粧させ、わざわざ松明行列を作って、そこへ納めに行ったものだそうであるが、何時頃からか、山神様の正体は、やはり人間だと分ってから、土民のほうも狡をきめこんで怠ってしまった。

ところが、戦国以来は、その山神様の徒党が、山の社に白木の輿をおいて報らせても、貢物が来ないので、猪突き槍だの、熊射ち弓だの、斧だの手槍だの、なるべく土民が見ただけでも縮み上がってしまいそうな武器を携え、三年目とか二年目とか、物資の貯えられている状態を見ておいて、自身の方から、部落部落へ、出張して来るようになって来た。

この辺には、その兇匪の群れが、先おととしの秋やって来た。――その時の惨たる光景で、幼心にも怖かった記憶が、今――土橋の上の人影を見ると共に、いなずまのように彼の頭に呼び起されたのであった。

四

――やがてのこと。