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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁
そうしたらたいへんだ。それにしても、西の島は見つかったろうか。ある者は、見はりの砂山にのぼり、やぐらにのぼり、また海岸に立って、星空の下の、まっ暗な水平線を、瞳をこらして心配そうに、何か見えはしないかと、見つめていた。
しかし、探検船は、帰ってくるけはいもない。時は、ずんずんたっていく。
「火をたけ」
運転士の号令だ。一同は、さっと緊張した。ばらばらっと、砂山にかけあがり、たちまち、大かがり火をたきはじめた。
二時間も三時間も、たきつづけた。たきぎがありったけもやそう。かめの甲、魚の骨、かれ草、油、これもありったけもやしつづけよう。見はりやぐらにのぼった者も、海岸に立った者も、やみをすかして、黒い海を見つめるのであった。今にも船が帰って来るかと、いや、どうぞ帰って来ますようにと、心に念じ、全身を目にして……
一方、われらの伝馬船では、ゆくてのやみの水平線に、かすかな火さきを見つけた。
「島で、火を見せている」
「みんな、待っているぞ」
「みやげものに、たまげるぞ」
たいせつなたきものを使って、火をあげているのを見ては、櫓を漕ぐのにも、しぜんと力がはいる。