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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁

青空文庫

総員は、ふきすさぶ大風と、大波にもまれながら、夜どおし、帆柱の仮修繕に働いて、夜明けに修繕はできあがったが、今はもう、追手に風をうけて走るより方法がない、そこで、東北東に向かって船を走らせた。

大西風は、一週間もふきつづいて、二十四日正午には、新鳥島から、数百カイリも東の方、くわしくいえば、東経百七十度のあたりまで、ふき流されてしまった。

もう、海賊島の探検どころではない。日本へ帰ろうとすれば、この大西風にさからって、千カイリ以上も、大風と大波とをあいてに、折れた帆柱、ゆるんだ索具の小帆船が、戦わなければならない。遠いけれども、追手の風で、ハワイ諸島のホノルル港に避難して、修繕を完全にして、じゅうぶんの航海準備をととのえて、日本へ帰るのが、いちばんたしかな方法だ。急がばまわれとは、このことだ。

また、ホノルルに向かえば、途中は島づたいに行ける。まんいち、食糧がなくなっても、魚をつってたべ、島にあがって清水もくめよう。いよいよ水がなくなったら、この島々にたくさんいる、海がめの水を飲もう。海がめは、腹のなかに、一リットルから二リットルぐらいの、清水を持っているのだ。