輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁
とさとしても、病人は承知しない。
「私たち二人は、そんなに大病人なのでしょうか。見はりやぐらの当番と、宝島当番はできませんが、かめの当番も、小屋掃除も、魚つりもできます」
こういって、いかにも元気そうに、立ち働いてみせるのだ。その心持は、まったくいじらしい。どうかして、なおしてやりたい。だが、病人にさからって、アザラシを殺したなら、
「あれほどたのんだのに、とうとう、アザラシから胆をとってしまった。してみると、じぶんは、ひどい病気なのだ」
こんなふうに、考えちがいをされてもこまる。もう少し、ようすを見てからにしよう、ということにしておいた。
友だちとして、かわいがっているアザラシを殺す、ということは、病人でないほかの者にも、大きな問題であった。口にこそ出さないが、みんなは、
「かわいそうなアザラシ。とうとう、くる時がきてしまったのだ。アザラシよ、われらを、なさけ知らずとうらむな。とうとい人間の命を助けるのだ。魚だって、かめだって、あのとおりお役にたっているではないか……」
「しかし、アザラシ殺しの役目には、あたりたくないものだ」
と思っていた。けれども、手配は、さすがにりっぱだ。