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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁

青空文庫

これは、どこでも見られることだ。

さて、えさをたべて、おなかがいっぱいになると、その一群は、海面にうかんでつばさを休め、のんきそうに波にゆられている。

このアホウドリの一群が、波の上でつばさを休めている時には、きっと、そのなかの一羽が、なかまの上空を、ぐるぐる飛びまわって、見はりをしている。そして、ある時間がたつと、ふわりとなかまのうかぶ海面におりて、つばさを休める。すると、すぐに、ほかの一羽が飛びあがって、また、見はり番をして、ぐるぐる飛びまわっている。これは、その一群が海にうかんでいる間、一時間でも、二時間でも、きっとやっているのだ。

この見はり番は、アザラシもやっていて、べつにめずらしいとは思わないが、見はり番のアホウドリが海におりて、やっと波にうかんで、まだひろげたつばさをおさめないうちに、すばやく、ほかの一羽が舞いあがる。そのようすは、こんどはだれの番だと、きめてあるように見えるのだ。

水夫長は、すっかり感心して、その強い研究心から、

「船長。どの鳥が、命令するのでしょう」

と、きくのだ。これには、私もこまった。

「さあ、だれが命令するのかなあ……」