Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
溜飲
日常、牛馬をつかう稼業の者からは、特に多くの違犯者があげられた。牛馬に鞭を振ったとか、病馬を捨てたとかいうだけの理由で、死罪、遠島になった者も少なくない。
幕府の主旨は、すべて人民は、将軍家のみならず畜生にも仕え、もし畜生の病み傷つくときには、人間の子に喰わせる糧はなくとも、女房に着せる衣はとぼしくとも、質をおいてでも、犬医者をむかえ、薬療手当をしてやらなければ、掟に問われ、厳科に処せられるぞ――といわぬばかりである。
――犬になりたい。犬がうらやましい。
疾苦の民は、心からいった。
死罪、遠島、重追放などの、家を失った数々の人間の子は、必然、浮浪者のなかまに入り、また、良家の子弟ではあっても、世のばからしさ、あほらしさから、犬になりたい仲間も殖え、両々相俟って、糜爛した時粧風俗とともに、天下不良化の観をつくった。
深夜。中野の原のお犬小屋をうかがい、揚団子を撒いて、木の上に夜を明かしていた大亀や阿能十なども、いずれは、こうした時代の子にはちがいない。
溜飲
お犬小屋は、大久保、四谷、その他、府外数ヵ所にあったが、中野が最も規模が大きかった。
犬は仔を産むし、多産だし、しかも十数年来、太鼓の製皮も禁ぜられてきた程なので、その繁殖率は、たいへんなものになっている。