Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

と次に念を押した時に女は、

「それは……」

と言って口籠りました。

「強いてお尋ねは致さぬが、夜更けのこと故、そこらあたりまでお送り申しましょう」

「御親切に有難うございますが、屋敷には、ちと憚ることがござりまする故、どうぞ、このままでお見逃し下さいませ」

その時に、向うの屋敷道に小さく提灯の火影が現われ、話をしながら二三の人が、こちらへ向いて歩いて来るようです。その提灯を見ると、男装した女があわてて、

「御免下さいませ、あの提灯は、あれは」

と言って、四辺を見廻したが、背後にあったのがちょうど、庚申塚です。兵馬に気兼ねをしながら女は庚申塚の後ろへ身を隠しました。兵馬もそこにじっとしてはいられない気になって、男装した女の武家と同じように、その庚申塚の背後へ身を隠しました。

そうしているうちに提灯が、庚申塚の前へ通りかかります。

お供が提灯を持って先に立ち、真中に立派な羽織袴の武士、それにつづいて若党と見ゆる大兵な男の三人づれが、この庚申塚の前を通りかかって、

「あ、悪いな、提灯が消えちまった」

ちょうど、時も時、その庚申塚の前まで来た時に提灯が消えてしまいました。