Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
十五
それは近頃、浅草の広小路へ出る梯子乗りの友吉というものであったらしいとのこと。よって兵馬は探りの方針を、この梯子乗りに向けなければならなくなりました。
十五
お君は帯をするようになりました。その時にお松が、
「お君さん、おめでとうございます」
と言って祝うと、
「いいえ……」
と言ってまっかな面をし、
「お松さん、わたしはこの子がやっぱり生れない方が仕合せだと思いますわ」
「何をおっしゃいます、このおめでたい矢先に、そんなことを」
「いいえ、めでたいことではありません、わたしにとっても少しもめでたいことではございませんし、この子にとっても決してめでたいことではございません、この子は父無し子と言われて一生涯、明るいところへは出られませんもの」
「まあ、父無し子……このお子さんは、あのお立派な駒井能登守様とおっしゃる親御様をお持ちではございませぬか」
「いいえ、この子は駒井能登守の子ではございませぬ、わたくしの子でございます、それ故にわたくしは、どのようなことがあっても能登守の子としては育てません、わたくしの子として育てて参ります。それよりか、わたくしはいっそ難産で、この子と一緒に死んでしまえば、それに越したことはないと思っているのでございますよ」