Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
十六
)宴会の時分に、誰の口からともなく、この正月に亡くなった高島秋帆の噂が出ました。そうすると席の半ばにいた道庵先生が、しゃしゃり出てこんなことを言いました、
「四郎太夫はエライよ。実は拙者も長崎の生れでね、(註、道庵先生はこんなことを言うけれど、事実長崎の生れであるや否やは怪しいものである。)高島のことはよく知っているよ。太閤時代からの家柄でね、先祖代々、異国と御直商売というのをやっていたからなかなか金持よ、俸禄はたった七十俵五人扶持しきゃ貰っていねえけれど、五十万石の大名と同じぐらいの金があったそうだよ。そうでなきゃお前、あれだけの仕事ができるものかな、やにっこい大名じゃあトテモ高島の真似はできねえね。それだからお前、とうとう謀叛人と見られちゃったのさ。あれでお前、ほんとに謀叛する気であって御覧じろ、大塩平八郎なんぞより、ズット大仕掛けのことができるんだね。だからお上でも怖くって仕方がねえ、とうとう謀叛人にされちゃってね、牢へまでぶち込まれて晩年は不遇といったようなわけさ。しかしまあ、あの男なんぞはなんにしても近世の人物さ」
道庵先生は友達気取りで高島四郎太夫の話を始めながら、懐中から取り出したのは千住の紙煙草入の安物であります。