Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
十八
暗い中から、短気なる米友としては悠々と、壁に立てかけてあった手槍を取って、同じく外へ飛び出しました。
十八
この真夜中過ぎた晩に、両国橋の上を、たった一人で渡って行く女の人があります。女一人で今時分この橋を渡って行くことでさえが、思いもかけないことであるのに、その女の人は長い裲襠の裳裾を引いて、さながら長局の廊下を歩むような足どりで、悠々寛々と足を運んでいることは、尋常の沙汰とは思われません。
お化粧をしていた面は絵に見るもののように美しくありました。裲襠の肩が外れて、着物の褄も裾もハラハラと乱れていました。見れば真白な素足に、冷々する露の下りた橋板の上を踏んでいます。
さすがに賑わしい両国橋の上も下も、天地の眠る時分には眠らなければなりません。
「ムクや、お前わたしと一緒においで、離れちゃいやよ」
と女の人は言いました。それは間の山のお君であります。お君の歩くのと一緒に、ムク犬もまたこの橋の上を歩いていました。
橋の真中へ来た時分に、お君は欄干に寄り添うて、水の流れをながめながら、
「ムクや、お前、離れちゃいけないよ、今度こそは間の山へ帰るんだから、これからお前、その間の道中が長いのだから、お前がついていてくれないと、わたしは、とても間の山までは行けやしない。