Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
彼は今、どこにいるのか知らん。先日も両国橋の上へ姿を現わしたところを以て見れば、やはりあの界隈にいるものと見なければなりません。弥勒寺橋の長屋にいるものとすれば、まだ机竜之助の世話をしているのでしょう。竜之助の世話をしているといえば、あの男の挙動が、ことにあの身体で夜な夜なの出歩きが、米友の単純な頭を以てどうしても了解ができないで、眼をっていることも、米友としては無理のないことです。
「ああ、いた、いた」
米友は闇の中に躍り上って、地団駄を踏み立てているものらしい。ほどなく二人の辻番と、宇治山田の米友と、盲法師の弁信と、お蝶との五人が、路上に横たわった一つの屍骸を取巻いて、弁信を除いての四人の眼は、いずれも火のようになって、提灯をその屍骸につきつけているのであります。
「女だ!」
米友が叫びました。
「若い女だ、あだっぽい女だ」
提灯を突きつけている辻番が驚く。
「まあ、かわいそうに」
お蝶は、さすがに眼をそむけてしまいます。
「斬疵ではない、突いて抉ったものじゃ、みずおちあたりにただ一箇所」
「左様、ほかには疵らしいものはないようだ、確かに突いて抉ったものだが、刃物は槍か、刀か」