Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
その医者とても、この場合においては、遠くの名医博士よりも、近くの十八文を有難く思わねばならないのでありました。そこで家の子郎党たちは、取るものも取り敢えずに道庵先生の門を叩きました。
この時に、道庵先生の門を叩いた家の子郎党たちが心得のある人であったならば、相手がなにしろ道庵先生だということを腹に置いてかかるのだけれど、不幸にしてその連中は、それだけの心得も腹もない連中が、狼狽て駈けつけたもんだから、鰡八大尽のためにも、道庵先生のためにも、悪い結果を齎すということを夢にも予想はしませんでした。
「今晩は、今晩は」
大尽の家の子郎党は、傾きかかった道庵先生の家の門を、荒々しく叩きました。
「国公、起きて見ろ、いやに荒っぽく門を叩く奴がある、こちとらの門なんぞは、下手に叩かれたんではひっくり返ってしまわあな」
道庵先生はその音を聞きつけて、寝床の中から薬箱持ちの国公に差図しました。
国公は、慣れたものだから、直ぐに起きて案内に出ました。
「どーれ」
国公が応対に出たけれども、道庵先生の寝ているところと玄関とは、いくらも隔たっていないのだから、先生はその応対の模様を、いつも寝ながらにして聞いていて、それによって病気の模様を察し、急いで駈けつけるべき必要があると認めた時は急いで駈けつけ、悠々していた方が病人のためになる