Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

風が出たなと思った時分に、駒井甚三郎は、ふと戸の外を叩く物の音のあることに気がつきました。宇津木兵馬がまた訪ねて来たなと思って、甚三郎は立って戸をあけにかかりました。けれどもそれは宇津木兵馬ではなくて、見馴れぬ労働者風の男でありましたから、

「誰じゃ」

甚三郎は拳銃をさぐって用心しました。

「拙者だ、南条だ」

駒井甚三郎は、その一言で了解することができました。

ほどなく駒井甚三郎と南条なにがしという奇異なる労働者と二人は、前の室内で椅子によって対坐することとなりました。

その以前、やはり不意にこの男が、甲府の駒井能登守の邸を夜中に驚かしたことがあったように。

その時はそれと知らずして驚かしたものでしたが、今はそれと知って訪ねて来たものらしい。

能登守の風采もその時とは変っているが、南条の風采もやや変っています。

「何をしていた」

と駒井甚三郎が尋ねました。

「ここの工事の人足を働いている」

南条が答えます。

「それは知らなかった」

「こっちも知らなかった」

「どうして拙者がここにいることがわかったか」

「宇津木兵馬から聞いた」

「なるほど――」

南条は室内を一通り見渡したが、例の小型の蒸気船の模型を認めて、