Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
味噌をすっていた納所は、摺古木を担ぎ出しました。そのほかいろいろの得物を持って、このすさまじい風来犬を追い立てました。門外へ追い出そうとしてかえって、方丈へ追い込んでしまいます。
一山の大衆は、面白半分にこの犬を追廻すのであります。追われるムク犬は、敢てそれに向おうともしない。寧ろ哀れみを乞うようにして逃げるのを、大衆は盛んに追いかけて、あっちへ行った、こっちへ来たと騒ぎ立っています。
例の慢心和尚はこの時、点心でありました。膳に向って糊のようなお粥のようなものを一心に食べていました。その食事の鼻先へ、ムク犬が呻ぎ呻ぎ逃げ込んで来ました。
「そーれ、そっちへ行った」
「やーれ、こっちへ行った」
箒坊主や、味噌摺坊主は、いよいよ面白がってここまで追い詰めて来ると、
「何だ何だ、やかましい」
慢心和尚は、大きな声で右の坊主どもをたしなめます。
「和尚様、狂犬が飛び込みましたぜ、西の方から牢破りをして逃げた狂犬ですぜ、それが今、このお寺の中へ逃げ込んでしまいました、だからこうして追い飛ばしているのでございます」
「よけいなことをするな、そんなことをする暇に、味噌でもすれ」