Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「昔、淡路国岩屋の浦の八幡宮の別当に一匹の猛犬があった、別当が泉州の堺に行く時は、いつもその犬をつれて行ったものじゃ、その犬が行くと、土地の犬どもが怖れ縮んで動くことができなかったということじゃ。さてその猛犬は、単独で海を渡って堺へ行くことがある、犬の身でどうして単独で海を渡るかというに、まず海岸へ出て木を流してみるのじゃ、その木が堺の方へ流れて行くのを見て、犬はよい潮時じゃと心得て、己れが乗れるほどな板を引き出して来てそれに乗る、そうすると潮の勢いがグングンと淡路の瀬戸を越えて、泉州の堺まで犬を載せて一息に板を持って行ってしまう、そこで板から下りて身ぶるいをして、泉州の堺へ上陸するという段取りじゃ。その潮の流れ条というのは、それほど急な流れで至って勢いが強い、この潮へ引き込まれた船は帆を張っても力が及ばないで、ずんずんと一方へ引かれて行くのじゃ。それほどの潮条があることを、犬はちゃんと心得て、まず木を流して潮時を見ておいて、それから筏をこしらえて載るというのが感心ではないか、それ以来、この潮時を別当汐と名づけるようになったという話がある」
お前たちより犬の方が思慮もあり、勇気もあるから、心配するなというようにも聞えました。