Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

ああいやになる、いやになる、悪因縁の寄り集まりだ、前世の仇ならいいが、この世からの餓鬼畜生に落ちた敵同士が、三すくみの体で、一つ屋敷に睨み合っているというのは、悪魔の悪戯のようなものだ。酒が苦い」

こう言って神尾主膳の眼が、怪しく輝きました。

神尾主膳の眼が怪しく輝いたのを、お角は変だとは思いました。しかし、この女は主膳に、怖るべき酒乱のあることを知ってはいませんでした。主膳もまた、ここへ来てから、酒乱になるほどには酒を飲んでいませんでした。

「化物屋敷なんて、そんなことがありますものか」

お角は、主膳の怪しい眼つきを見ながら、そのいやな言葉を打消します。

「拙者の住むところは、いつでも化物屋敷だ、躑躅ヶ崎の古屋敷もかなり化物じみていた」

と言っている時に、不意に、裏手の車井戸がキリキリと鳴りました。その音を聞くと、神尾主膳が急に慄え上りました。

「誰か井戸で水を汲んでるな」

「左様でございますね」

「水を汲んじゃいかんと言え」

「それでも、御前」

「いや、水を汲んじゃいかん、拙者はあの車井戸の音が大嫌いだ」

「おおかた、お嬢様が水を汲んでいらっしゃるのでございましょう」