Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
であります。
追われて行詰った時は、その行詰った塀なり軒なりへそれを倒しかけてスルスルと上って行きます。弥次馬が追いついた時分には上からそれを引き上げて、裏へ飛んで下りたり横へ走ったりします。こうして米友は、淡島様から浅草寺の奥山へ逃げ込み、奥山から裏の田圃へ抜けました。田圃へ来て見ると、もう追いかける人もあとが絶えたようであります。
どのみち、本所の鐘撞堂へ帰るべき身であるけれども、遠廻りをして帰らねばならぬと思って、四方を見廻して突立っていました。米友はまだこんなところへ来たことはないから、そこで暫らく方角を考えて立っていました。
田圃の真中に立って米友は、ここで梯子の必要がなくなってみると、どう処分するか。それは心配するほどのものはなく、無雑作に梯子の一端に手をかけると、それを二つに折ってしまいました。それは本来折れるように出来ている梯子で、二つに折ったのをまた四つに畳みました。なんでもないことで、こうして米友の梯子は折畳みができるようになっている。四つに畳んでしまった後に、桁は桁、桟は桟で取り外して、それを一まとめにして、懐中から麻の袋を取り出して、それで包んで背中へ無雑作に投げかけました。