Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

「エエ、これはこのたび、世にも珍らしき京都は三条小橋縄手池田屋の騒動」

「おや、池田屋騒動って何でしょう」

「稲荷町に池田屋という呉服屋さんがあってよ」

「呉服屋さん? その呉服屋さんがどうしたの」

「どうしたんですか、縄付になったんでしょう」

「縛られてしまったの」

「そうでしょう、縄で縛られたと言っているじゃありませんか」

「エエ、これはこのたび、世にも珍らしい京都は三条小橋縄手の池田屋騒動……」

「稲荷町の呉服屋さんじゃありませんよ、京都三条と言ってるじゃありませんか」

「そうですね、三条小橋縄手というところなんでしょう、縄付ではなかったのね」

「京都の池田屋さんというのでしょう、京都の騒動をどうしてここまで売りに来るんでしょうね」

「どうしてでしょう、きっとその池田屋さんに悪い番頭があって、お駒さんのような綺麗なお嬢さんがあって、それから騒動が起ったといったような筋なんでしょう」

「わたしもそう思ってよ、お駒さんはかわいそうね」

「ほんとにお駒さんはかわいそうよ、言うに言われぬ訳あって、夫殺しの咎人と、死恥曝す身の因果、ふびんと思し一片の、御回向願い上げまする、世上の娘御様方は、この駒を見せしめと、親の許さぬいたずらなど、必ず必ずあそばすな……」