Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

「もし宇津木の身に間違いでもあられては、せっかく頼まれて来た我々が娘たちに対して面目がない」

「そうかといってこの場合、迷子の迷子の宇津木兵馬やあいと、呼ばわって歩くわけにもゆかない」

「困ったものじゃ」

二人の浪士は下の光景を見ながら、しきりに困惑しているようであります。

この二人の浪士は、さきに宇津木兵馬と共に甲府の牢を破って出た南条と五十嵐とであります。

この時、下界のこの混乱の中へ、どこをどうして紛れ込んだか一挺の駕籠がかつぎ込まれたのは、奇観ともなんとも言いようがありません。さてはいかなる勇士侠客が仲裁に来たのかと、さしもの群集が暫く鳴りを静めて見つめているうちに、

「ナーンだ、お医者さんか」

と呆れ返ったのは、それが普通の駕籠ではなく、切棒の駕籠であったからです。本来、吉原へは医者のほかは、乗物では入れないことになっています。

「おい、道庵がやって来たぞ、万字楼に病人を一人取残しておいたから、先生、ぜひひとつ行って助けて来ておくんなさいと頼まれたから、道庵が出向いて来たんだ、ばかにするない」

切棒の駕籠、すなわちあんぽつの中で、しきりに怒鳴っているのが道庵先生です。