Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

「おやおや、打ちやがったな、女だてらに男を打ちやがったぜ、女の子に抓られるのは悪くはねえが、こう色気なしに打たれちゃあ勘弁がならねえ」

「泥棒!」

「泥棒だって言やがる、こいつは穏かでねえ、こいつはどうも穏かでねえ」

「あれ――人殺し」

「おやおや、人殺し――なおいけねえ、兄弟、その口をしっかり封じてやってくんねえ」

「あれ――この野郎」

「何を言ってるんだ、ジタバタするだけ野暮じゃねえか」

たしかに一人の女を、二人の駕籠舁が取って押えて、手込めにし兼ねまじき事態と聞きつけた兵馬は、もう猶予するわけにはゆきませんから、神尾主膳を背中から下ろしてそこへさしおいて、今の金切り声の方へ飛んで行きました。

ところは鷲神社の鳥居の前、二人の大の駕籠舁が、一人の年増の女を取って押えようとしているところ。

「この馬鹿者めが」

兵馬は横合から一人を蹴飛ばして、一人を突き倒しました。その勢いに怖れて雲助は、霞の如く逃げてしまいました。

「危ないところをお助け下さいまして、有難う存じまする」

兵馬のために悪い駕籠屋を追い飛ばしてもらったから、女はそこへ手をついてお礼を言いました。

「これは、どちらへおいでなさる」