Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
それにお前は、どうかすると途中で、わたしを捨てたがるんだもの……ずいぶんお前は薄情な犬だこと、わたしよりもお前は、あのお松さんが好きになったのでしょう、だからお前は、わたしのところへは来ないで、お松さんのところへ尋ねて来るようになったのでしょう。お松さんは誰にも好かれます、兵馬さんにも好かれます、御老女様にも好かれます、また出入りのお武士たちもみんなお松様を好い人だと言って賞めています、それだのに、わたしは誰にも好かれません、みんなわたしを嫌います、駒井能登守様も、わたしを捨てて舟で逃げて行きました、お前、そうしておいで、お前を逃がさないように、これからどんなことがあっても、お前とわたしとは離れないように、ちゃんと鎖でつないで上げるから」
お君は犬に向って、こんなことを言いながら扱帯を解いたものと見え、その扱帯の端でムク犬の首をグルグルと巻きました。ムクはけねんに堪えやらぬ面をして主人を見上げながら、主人のする通りになっていると、
「さあ、こうしておいで、こうして行きさえすれば大丈夫、これから後は、お前とわたしが離れることはない、ふたり一緒に間の山へ帰れるから」