Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
せっかくおいでなすって早々、お使立てをするようなことを言って済みませんけれど、ほかの人と違って、あの方のことですから、お前さんも、喜んで行って下さるでしょう、早くして下さいまし」
「俺らは別に尋ねる人があって来たんだ、酔興で歩いて来たんじゃねえや」
「ちょいとお待ち、米友さん、お前なにか腹を立てているの。それでまあ手槍を持って、この夜中を一人で歩いて……提灯も持たないで。何かお前にも急用がおありならば、この提灯を持っておいでなさい、提灯を持って歩かないと、辻番がやかましいから」
お松は米友を追いかけて、自分の手にしている提灯を持たせようとします。その提灯のしるしには五七の桐がついておりました。
お松の手から極めて無愛想に、提灯を受取った米友は、さっさと相生町の河岸を駈け抜けて、本所元町まで来てしまいました。それまで来ても一向、机竜之助の姿を認むることはできません。ちょうどこの時分に米友は、どこからともなく、一声高く吠える犬の声を聞きました。それは深夜のことで、ここまで来る間には犬が吠えないではありませんでした。けれども、ここで一声の犬の声を聞いた米友は、思わずブルッと戦慄しました。