Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

甚三郎は優しく、

「そうか、近いうち、拙者も舟であちらの方へ出かけるから、その時に連れて行ってやろう、そうしてお嬢さんとやらに会わせてやろう」

「有難う。それでもね、お嬢さんにゃ会えませんよ」

「どうして」

「みんなが会わせないんだもの」

「なぜ会わせないのだ」

「あたいは、お嬢さんにだけは可愛がられるけれども、ほかの者にはみんな憎まれてるから」

「みんなの人が、なぜ、そんなにお前を憎むのだ」

「なぜだか、あたいにはわからないんだ、みんなの人が、あたいを憎んでお嬢様に会わせないように、清澄の山へ預けちまったんですからね」

「何かお前が悪いことをしたのだろう」

「いいえ、何も悪いことをしやしません、悪いことといえば、あたいが、あんまりお嬢様に可愛がられるから、それが悪いんでしょうよ。そのほかにはね……あたいは、虫を捕ることが好きなんですよ、虫を捕ることだの、鳥と遊ぶことだの、それから、笛を吹くことだの……」

その時まで黙って聞いていたお角が、あわて気味で口をはさみました。

「ちょっとお待ち。お話のうちだが、それではお前さんが、あの芳浜の茂太郎さんというんじゃないの」

「ええ、あたいがその茂太郎ですよ」