Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
「これではもうしようがない、雨でもあがったらやり直すとしよう」
そんなことを云うのが聞えた。
半之助は殆んど部屋から出なかった。夜もおそくまで、灯をかきたてて、読んだり、覚書をとったりしていた。
地図 二枚
見聞記 二冊
日記 三冊
「みどう清左衛門に関する調書」一冊
油紙の包の中にはこれだけあった。そのうち必要なのは、甘利郷の略図と、みどう家に関する調書であるが、初め披いてみるうち、まず眼をひかれたのは、黒い菱形を三つ集めた、家紋の写しであった。
――これだった。
半之助は殆んど声をあげそうになった。山村座の茶屋で見た、あの半の蒔絵の紋。丸茂の家の釘隠しの金具。どちらも同じであり、どこかで見覚えがあると思ったが、それは、十六歳のときに、この調書を見た記憶が残っていたのである。
――すると、この三つの関係はどうなるのだろう。
甘利郷のみどう家と、江戸で見たものとは、直接につながりをもっているのだろうか。さらにもう一つある。青山主馬の話によると、慶安事件に資金を提供した、不明の後援者の家紋も同一であったというが、それもここに関係があるのだろうか。
しかしこれらの疑問は、半之助の「かんば沢」