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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme

Aozora Bunko

三

あたかも母親が、子供に教え訓すような口ぶりである。半之助は苦笑しながら、よくわかりました、というふうに頷いた。

「それでいいわ」

彼女もしたり顔に頷き返し、だがすぐに、たちまちまた、活溌な空想にとらえられるようすであった。

「うれしいわね、わたくしいつもおそばにいて、あなたのお世話をしてあげるの、あなたが沈んでいるときは慰め、悲しんでいるときはいっしょに泣いてあげるの、もしかして病気になったら、五日でも十日でも、眠らずに看病してあげるわ、そして、……あら」

とつぜん彼女はふり向いた。

「あら、あたし忘れていたわ、あなたにはお好きな方がいらしったのね、可愛い、きれいな町娘が、……どうなさるの、あの方」

三

「町娘って……」

半之助はこう反問しながら、ふとなをのことを思いだした。山村座の茶屋の女中の、可哀そうななをのことを、……しかし、すぐに笑いながら答えた。

「それは貴女が自分で云いだしたことでしょう、私にはそんな者は一人もいませんよ」

「あらそうだったかしら」

ふと首をかしげ、気がついたのだろう、恥ずかしそうに微笑し、納得した。

「そうだわ、あたしがそう思っただけね、それならいいけれど」