Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
二
そんなふうな、むやみなことを、番たび書いて来たようだ。正直のところ、半之助はうらやましかったし、嫉妬もしたが、それ以上に感動させられたものである。
それから約一年半ばかりして、しほは左のような手紙をよこして、他へ嫁にいってしまった。
――やむを得ない事情で結婚することになった、あなたが自分を愛して呉れるのなら、どうか自分の幸福を末ながく祈ってもらいたい、自分はたぶん、思いだすたびに、あなたのために、泣くことであろう。
主馬はその手紙を、半之助に読ませたとき、けむったいような表情をして、ゆっくりとこう云った。
――おれは今、自分が三銭くらいのねうちしかないような、こころもちだ。
遠藤千之助が、青山氏は捻ったようなことを云う、といったが、それはそのころから始まった癖であった。
二
充実した、意義ある、望ましい生き方をするには、どうしたらいいか。
五人のなかまのうち、これを、もっともしんけんに考えているのは、半之助よりも、むしろ青山主馬であったかもしれない。彼は決して正面からは、そのことを論じなかった。例の捻ったような、そらをつかうようなことを云うので、正木重兵衛や松室泰助などは、どうかすると、ふざけるな、といったふうな顔をした。