Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
そのとき彼は、死躰の足のほうにいたのであるが、そこからみると、死躰の顔が(苦痛に歪んだまま)生きているかのように思えたのだ。彼は眼をそらそうとした。が、すぐにこんどこそ高く叫び声をあげた。
彼がぞっとしたのは、死躰の顔が生きているように、見えたためではなかった。
誰かに似ていたのだ。彼がよく知っていて、しかも、忘れることのできない、誰かの顔に……。それは叔父に似ていた。古い死躰で、おも変りがしているだろうか。いや、乾いている空気と、地質の関係から、それは甚だしい変化はないようだ。もちろん、叔父とは十二歳のとき会ったきりで、記憶はかなりあいまいである。その顔が少しも変っていないとしても、たしかな判断はできないにちがいない。しかし、やっぱりそれは、叔父に似ていた。
半之助は蝋燭を左に右に動かした。まぎれもなく、叔父に似ていた。よく似ていた、歪んだ顔の下半分に、あの、人を嘲弄するような、それでいて穏やかな微笑が、いまにもうかんできそうであった。
――此処はかんば沢に近い。
叔父はかんば沢へはいって、そのまま行方不明になり、遺骸もみつからなかった。
「これがもし叔父だとすれば」