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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

……ああ、あのようにして、日の暮るるまで杉苗を植えているが、その苗が一本の材木となって世のなかに役立つまで、あの老爺は生きている気だろうか。否々、生きていられないことは知っておろう。さすれば、何のために、誰のために、老躯を曲げて植林しているかと……)

あとは説明しなかった。

ただ、そのあとで、いわずともおわかりであろう――というような面を見せて、

(死後の花見とでもいいましょうか、生けるうちはいうまでもなく、死後にもよい花見をいたしたいという人間の欲でござるよ。……けれど理も智もなく黙々と杉苗を植えている老爺の欲のごときはもっとも崇高な欲望ではありませんか。光圀も欲情甚だしきためにあんな愚かなことをいたしております)

と、つけ加えていったという。

それと似たはなしであるが、光圀はよくこういうことも、左右のひとに語った。

(よくひとは、花の美は、半開にあるとか、七分咲きにあるとかいうが、自分の思うには、花の美しきは散らんとする前にあると思う。なぜならば、散ろうとする花は自ら花粉をこぼす。――花の生命が、散ってもなお、その生命をこの地上に遺してゆこうとする――あわれにも自然な働きを作すのである。