Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
三
何よりの懸念は、彼は、いわば敵地ともいうべき柳沢家へ、検校の供をしては、たえず出入りしている点だった。もちろんそれは、林助から進んで、二人の誓っている目的のためには――と、危険も覚悟の上でかかっていることではあったが、――その林助の身に、もしもの事でもあると仮定すれば、又四郎としても当然、坐視していられない立場にあった。いや、情としても忍び得ない仲であった。
「……おっ母さん。うちのおっ母さんは、来ておりましょうか」
外で、女の声がした。
三
お次と又四郎とは、その母親以上、よく知り合っていた。
江戸に来てから、転々、住居も定らないでいる頃、お次が使いの帰途、武家の次男坊の群に捕まって、困りぬいていたところを、又四郎が上手に裁いてやった事などがある。
お次の親の魚松は、たださえ親切者の聞えがある程だったから、
(むすめの大恩人)
として、かれを遇すること、一通りでなかった。
かれが、何とはなく、世間の目を忍ぶらしい身の上にある事を知っても、かれを疑わないばかりか、ここの裏店も、夫婦して借りうけ、朝夕の洗いもの、酒屋の借金にいたるまで、
(又さんは困り者だよ)