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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

十五

「これだ。――一味の連判はこれにちがいない。ご一同、念のため披見してごらんなさい」

又四郎からそれを渡された。人々は、佐々介三郎の披く手へ、ことごとく顔をよせ集めた。

果たして、陰謀組の一味、在府国許の士をあわせて、総計三百余名の氏名は、藤井紋太夫、藤田将監以下、その筆蹟と血判をつらねて繰れども繰れども、驚くばかり秘巻の奥からあらわれて来た。

「……ああ、彼も」

「あの者も」

むしろ意外な名が多い。人々は一瞬、窒息したように、ただ面と面をつき合せていた。

十五

「よそう」

介三郎は、途中でふいに、連判の巻を、くるくると巻き納めていった。

「まだ、老公のお手もとにも出さぬうちに、つぶさに披見するも如何。また、その必要もない。――ただこれが連判状なることゆえ、確かめて参ればよいのではあるまいか」

「もっともだ」

と、人々みな、異存はない。

「さらば、引揚げろ」

とばかり、さきに手文庫やその他から捜索した往来の書簡反古などと共に、介三郎が確固と護持して、どやどやと、踏みあらした玄関から門のほうへ歩み出したが、ふと、

「又四郎は、どうしたか。――又四郎がまだ残っているらしいが?」