Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
二
すると、半分は出て来て、
「じゃあ、すみませんが、あたらせていただきましょう」
と、職人たちのあいだへ、小さくなって割りこんだ。
その中には、浪人者の牟礼もいた。浮田もいた。
けれど、赤々と燃える火に、顔をあげているのが辛そうに、膝をかかえて、俯向いている。
ひとを見れば脅すもののように持っていたあの獰猛な眼も、いまはひとを憚り世をおそれるためにある眼みたいであった。
「ご浪人。ご両所」
「はっ……」
「雑炊が煮えたらしい。さきにあなた方から箸をつけておやんなさい。拙者もいただこう。さ、茶碗をお出しなさい」
「いや、自分で盛ります。どうもおそれ入ります。これは恐縮千万で」
まるで人がちがったように、ふたりは肩をせばめて、茶碗をうければその茶碗を押しいただいた。
二
焚火の焔を、大きく囲んで、みな一個ずつの碗と箸をもち、しばらくは、熱い雑炊をすすりあうほか声もしない。
そのうちに、小屋のうちから、またひとりのそっと来て、介三郎にささやいた。
「旦那、わしらの飲みのこした酒が小屋にありますが、おあがりになりませんか」
「おう、花隈の熊か。酒があると……それは好物、もらおうか」