Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
が、いい奉公口も見あたらず、箱根に来て、駕かきの仲間にはいっているところを……実あ旦那にお目にかかって、おすがりしたわけでございました」
「そうか。道理で……おまえのあの時の顔つきは怖ろしく真剣だった。いや、その後、ここへ来て石工手伝いしているあいだも、その心が底にあるせいだろう、どこか違っているところがあった」
「旦那っ……伺います、正直に。……こうやって働いていたら、てまえは人間になれましょうか」
「なれる!」
「菓子屋へ行って、上菓子をくれといっても、辱しめられない男になれましょうか」
「なれるとも」
「いや、ここへ来てから、もうそんなけちな意地は突っ張っておりません。……正成公と同じ皇国の土に埋まる人間です。てまえのようなものでも、皇国の民のひとりだといっていいでしょうか。そう思っていいでしょうか」
「ばかっ」
介三郎は、力ある手で、かれの肩をつかんだ。勘太は、ぺたと坐ってしまった。
「なれないでどうする! いやどんな者だって、皇国の民でないものがいるか。そんなことを、疑っているなどが、そもそも、大きなまちがい。この国に、国賊だの、人非人だの、非国民だの、そんな者はいてはならない。