Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

夕方、勘太と共に外へ出て――勘太とはべつに、湯女などのいる風呂屋の情景も、いちどは見ておこうかと、それらしい一軒の門をくぐったところ、そこの二階で、湯女をあいてに、さかんに飲んでいたのが、棒の又四郎であった。

もとよりふたりは共に西山荘に仕え、老公の直臣として、刎頸の交わりをしていたあいだである。一方が浪人したからといって、急にその友誼に変質を来たすような仲ではない。又四郎はよろこびの余り、

(ここは夜どおしでもいいのだから、夜を徹して飲もうではないか)

と、ある限りの湯女を一席にあつめ、ある限りの酒と佳肴を供えて、介三郎をもてなそうとしたが、介三郎はほどよくかれを外へ連れ出して、

(ああいう場所では話せぬこともあるから、おれの旅籠へ来てごろ寝をしないか)

と、この木賃へ連れて来たものだった。

ここには元より乏しい火の気と渋茶の土瓶しか懸かっていない。けれど、それを不平とするほど又四郎は心から堕落しているものではない。

渋茶を飲み飲み、ふたりは心のそこのものを、たがいに忌憚なく吐いて、夜の更けるのも知らなかったが――話せば話すほど――同じ心の友でありながら、その目標へすすむ行き方としては根本的に意見の相違があって、相距たること遠いものを思わすばかりだった。