Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
「…………」
又四郎は、さっきから黙ってしまった。この男が黙り出すと、あいての根気を疲らすのであった。うすあばたのある人好きのわるい顔が、むッそりと不愛想極まる眼を反らしていると、たいがい交き合いの者では嫌になってしまうらしい。
「おい。どうしたい?」
介三郎がやがていうと、
「どうもせぬ」
という返事である。
「眠くなったか」
「ばかをいえ」
「……では一体、さいごのところ、おぬしは現状の世にたいして、どう生きて行こうというのか。まさか、湯女をあいてに、酒ばかりのんで、いたずらに大義を楯に俗衆を罵るのみを能としてみずから慰めていられるほど、おぬしの性格は、都合よく出来てもいないしな……」
「どう生きて行くと? ……おろかなことを、おれは、どう死のうかという死に方しか考えていない」
「同じことではないか」
介三郎が、かれの浅薄を、叱るようにいったときである。どこか更け沈んだ裏の遠くのほうで物音がした。――ばりばりと竹でも折れたような響きであった。
八
ふと、ふたりとも、口をつぐみ合った。しばし耳を澄ましていた。
――が、それきり何の気はいもなかったのでまた、介三郎のほうから、