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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

何年か先まで――」

ぷいと、風みたいに、立ち去ってしまった。

気の毒そうな顔して、主は、ぼんやりあとの往来をながめていたが、まだもうひとり片端に腰かけていた客がいたことに初めて気づいて、

「いや、どうも、とんだところを。お待たせいたしまして」

いいながらもう主はひどくびっくりしていた。あわてて土間へとびおりている。そしてあとのことばも知らないように、

「……これは、どなた様かとぞんじましたら、西山荘の老公さまでいらっしゃいましたか」

「あるじ」

「はい、はい」

「さように人をみて、客にわけへだてしてはなるまい。いまのお菰がもういちど怒りにくるぞ」

「おそれいりまする」

「だが、そちのいったことはおもしろい。さむらいに武士道、百姓に百姓道、商人にも町人道はあるな。そちの製るまんじゅうはうまいと、朱舜水先生がいわれたのも、そこにおまえの風味もあるからじゃろう」

「何せい、ここはあまり端ぢかでございますから、どうぞ、どうぞ」

「いやいや、すぐもどる。おまえこそ上にいなさい。ここは店、ほかの客も見えように。わしの用向きも、そのまんじゅうだが、いまでも舜水先生がおこのみのように製っておるのか」